長い間隠れていた太陽が出て、明るいのは何よりも嬉しい。
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今年の冬は12 月から2ヶ月の長雨が続く。各地で洪水の被害が出る。我が町ヴィレンヌでもセーヌ川が氾濫。セーヌ川の真ん中に位置する島が水に浸かっている。以前はセーヌが氾濫するのは5年に一度位だったが、この所2年置きに家が水に浸かる島の住民は気の毒だ。島の家は洪水を考えて、一階はガレージ、物置で、2階から上に住むようになっているが、それでも水に囲まれて生活するのは不便だ。
長雨がやっと終わったと思ったら、寒波の到来。今朝起きると雪が積もっている。気温は零下4度。朝方はマイナス6度まで下がり、日中も零度を越すか越さない日が4−5日続きそうだ。しかし長い間隠れていた太陽が出て、明るいのは何よりも嬉しい。夕方6時になってもまだ明るく、春が近いのを感じる。
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寒くて暗い冬にどこの家でも欠かさないのがスープ。日本に住む人が鍋を囲むのと同じ感覚だ。レストランは閉まり、仕事は自宅でテレワーク、夜6時以降外出禁止の現在、ほとんどの家庭でメインの食事は昼。夜はスープとチーズ、ヨーグルト位で簡単に済ませる。
スープは、最後にクリーム、バター、オリーヴ油を加える事もあるが、原則的には野菜の旨味だけで作る。
ずいぶん前になるが、大晦日をヴェニスで過ごす。大晦日特別メニューに、パリ風スープとあり、ワクワクして待つが、出てきたのは、フランスの家庭で作るポロネギスープ。ポロネギ、人参、じゃがいものスープは一番ポピュラー。また他のスープにも繋ぎになるじゃがいもと味を整えるポロネギ、人参を入れることが多い。
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先日朝市に行くと、私が野菜を調達する農家の人が、スープを飲んでいる。「寒い朝、体を温めるのにいいね」と言うと、ご馳走してくれる。乾燥豆、グリーンピースとえんどう豆のスープで、クミンの匂いがして美味しい。豆を買って、家に帰ってネットでチェックしたら、ビサーラと言うモロッコ料理。彼らはモロッコ出身で納得がいく。すぐに作って、昼食にきた友達夫婦に出したら好評。
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特別の食事の時はスープにプラスするものを入れる。人参に帆立貝をポワレしたのを乗せたり、カリフラワーにフォワグラのポワレ、またはベーコンをカリカリにソテーしたのを乗せると立派な前菜になる。