窓に衝突した鳥を手当て・・・
日曜日の朝、マークが仲間と自転車で出かけた後、私が事務所で書き仕事をしていたら、バンという大きな音。鳥が窓に衝突。テラスに倒れている。ぐったりしているが、触れると息をしている。台所に連れて行き、ボールに水を入れて飲ますと飲むが、飲む度に血が出て水が赤く染まる。庭の涼しい芝生の上に寝かせ、時々、水を頭と嘴に掛けてやると、目を開けて反応する。
ジュリアンが帰ってきて、庭で昼食。寝ている鳥を見ると、彼もかわいそうだと体を撫でる。クスクスを嘴先に持っていくが食べる元気はない。私達の食事中、鳥は全く動かない。食後私が触ると、初めて2−3歩歩く。そして飛び立とうとするが、僅か1m位で落ちる。ジュリアンが手のひらに乗せ、体を撫でていたら、思い切り飛び発つ。10m先の隣の庭のアカシヤの幹に留まる。小一時間そのまま動かないが、そのうちいなくなる。
事故後5時間、元気になって飛び去ったような気がし、心温まる思いがする。 外出禁止令中、ジュリアンは、庭で仕事をしながら鳥の観察をする。毎日同じ鳥が同じ枝に留まるそう。パートナーを替えない鳩は、いつも2羽が一緒に来て同じ枝に止まり、また違ういつも留まる枝に移るそうだ。隣の家には大きなさくらんぼの木があるが、鳥はさくらんぼを我が家の白樺の枝まで持って来て食べる。季節になるとさくらんぼの種が庭にいっぱい落ちている。鳥の習性は面白い。
事故にあった鳥のその後
友達を呼び庭で夕食を取っていたら、自転車で庭を一周していたマティスが、先日の鳥が死んでいるのを見つける。怪我をしながらも飛び立っていったのに、9日後力尽きて、死に場所を求めて我が家の庭に帰って来たようだ。暑い日が続いているので、庭で一番涼しい紫陽花と鈴蘭の間に横たわっている。
食事をしていた友達が、共通の友達で鳥に詳しい人がいると教えてくれる。彼女に鳥の写真を送ると、すぐに名前を教えてくれる。ピックの雌。雄は頭に鮮やかな赤い斑があるとのこと。フランス語でピックとは突くという意味。初めて鳥はキツツキだったのが分かる。道理で飛び立った時、長い間アカシヤの幹に体を垂直にして留まっていた。
キツツキが選んだ場所に埋め、マティスが名前をピックと決め、墓標を立てる。最初カタカナで書いていたのに、フランス人は日本語じゃ分からないと、フランス語も書き加える。