From PARIS

パリ、パサージュ見学

19世紀のパリを体験できる貴重な場所

私は2月の愛好会パリ散策に、パレ・ロワイヤルのパサージュを選ぶ。25人募集すると、ニュースレターが出た日、僅か3−4時間で満席になる。40人に及ぶ希望者があり、隠れたパリの名所であることを再確認する。私が気に入って頼む、パリを語らせば彼以上の人はいないと言われるガイドの案内も大きい。 

パリ市内に僅か残っているパサージュ、又はギャラリーとも呼ばれる場所は、19世紀のパリを体験できる貴重な場所である。パリ右岸に残る空間、建物と建物の間にアーチ型の入り口、中にはタイル張りの床が続き、通路の両脇に老舗店が並ぶ。パサージュはアーケード付き商店街。19世紀にはパリ中から人が集まり、散歩する人や娼婦が闊歩していたが、デパートの誕生により客の流れは変わり、パリ市民から忘れられる。100 年後、残ったパサージュは20。古き良き時代を求めて散策できる歴史の証人が、今も崩されず残っているのがパリの魅力。 

パサージュの原型は18世紀、ルイ14世の住まいだったパレ・ロワイヤルに造られる。当時王宮の中庭に、雨が降ってもロングドレスの女性が外に出られる屋根付きの商店街を造る。現在は、当時の活気はないがレトロな魅力が人気を呼んでいる。コレクターに人気のある古本屋、古切手、古絵葉書、古ポスター、古コインの店が並ぶ。木造りの玩具屋、年代物を集めたワイン店もある。鳥居ユキの店もある。 

新しく16区に「ブロン」を出した佐藤伸一は、「パサージュ53」と呼ばれるパサージュにある店で、日本人として初の2つ星を取る。 

昼食はすぐ近くの私達だけで一杯になる小さなヴェトナム料理店。アジア料理店のいいところは、全員同じグループメニューにしなくてもよく、各自が好きなランチメニューを選べること。参加者がいつも、私の散策は変わったレストランに行けるのがいいと言う。安くて美味しい店で、賑やかに楽しく食事をして帰る。