イルレギーワインを試飲しながら、バスクの思い出が広がりました
愛好会でワイン試飲会をやるようになって15年になる。私は講師に何度もイルレギーをやって欲しいと頼み、先日やっと実現する。イルレギーはバスク地方のワインで、フランスで最も小さいワイン産地。フランスは郷土色豊かで魅力のある地方が多いが、私はバスクが一番好き。海と山に恵まれ食べ物の宝庫。家族でヴァカンスを過ごし、何度も、服部の研修旅行で入れ、食べ物関係の企業や友達を案内している。美しい自然に、素朴で親切な人々。美味しい食事にレベルの高いワイン。これだけ揃ったところはイタリア、トスカーナしかない。
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6年前に、中国地方の女性お貸し屋さんと8人でバスクに家を借り、この地方の食材を使った料理を作る。この時、長い付き合いの友達シェフの紹介で、奥深い山中にある3人姉妹の農場を訪ねる。親から譲り受けた農場で長女が牛、羊、山羊を飼育。次女がワイン、3女がチーズを作っている。到着翌日に行き、滞在中の食料を調達。羊のサラミ、オッソー・イラティ(羊チーズ)、山羊のチーズ、ワインを購入。
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それまで両親は収穫した葡萄を協同組合でワインにしてもらっていたが、次女は自分のところでワイン醸造を始めたばかり。この地方独特の品種で作る白、赤ワインを試飲するが、白ワインは絶品で舌に残る。太陽の多い、南西地方に位置するが、フランスで最も雨の多い地方。山の中腹の非常に急な斜面でぶどうを栽培。結果的にワインはフレッシュで、同じ品種でも他の南西地方のしっかりしたワインとは違う。
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今回講師が持って来た4本のボトルのうち、一本が次女のボーダクスリア赤。彼はヴァカンス中、フランスだけでなくヨーロッパのワイン産地を回り、気に入ったワイナリーのワインを購入している。白は販売と同時に売り切れで、残念ながら手に入らなかったとのこと。赤は樽には寝かさずステンレスに18ヶ月、赤黒果物の香りと味が口に広がり、バスクの思い出が蘇って、感激的な夕べを過ごす。