From PARIS

フォーラムと衛生パス

 フランスは9月から新年度が始まる。9月第1週土曜日は、我が町の恒例フォーラム。ヴァカンスが多く、学校で十分なスポーツ、音楽美術教育が出来ないフランスは、学校が終わってから子供達は趣味の活動をする。子供達のクラブと大人の趣味、スポーツ愛好会、クラブが、一同に役場の庭に集まり活動を紹介する。

人が多く集まる場所では衛生パスが義務付けられている

 私が属する愛好会は年金生活者か、それに近い人達が中心で会員数500人余、半分が町民、あとの半分は近郊の町の人達。私はこの会で、ゴルフ、ボーリング、ワイン試飲会、イタリア語、英語、庭見学に参加している。入場者はフォーラムの各スタンドで年会費を払い活動に登録する。私は美術館、展覧会に行く、文化散策を担当している。昨年9月にやったパリのビュット・オー・カイユ散策が好評で、11月に2回目をやることにしていたが外出禁止令でキャンセル。今年9月に再度やることにする。10月はアラン・デュカスのチョコレートアトリエを訪ねるポスターを作る。

 会場の入り口で、町の警官が入場者の衛生パスをチェック。このパスはワクチン接種証明書か、3日以内のPCR検査証明書で、それを入れている携帯を見せる。レストラン、美術館、その他大勢の人が集まる場所ではこのパスが義務付けられている。政府がこの決定をしてから、10週間連続で、選択の自由を束縛されると、毎週末フランス各地でワクチン接種反対のデモが行われる。ワクチン摂取を拒否、しかし人が集まるところには出かけたい人達は、その度にPCR 検査をしている。検査が有料な多くの国と違い、フランスは無料。国費で膨大な額を払ってきたが、今年秋から有料にする政府案に抗議。昨日から医療関係、養老院、警察、消防署など、国民と接触のある仕事をしている人達にワクチン接種を義務付ける。10%近くはそれに反対し、仕事を拒否する人達まで出て来ている。彼らは社会主義政策が行き届いている国に住む自分達がどんなに恵まれているか分かっていない。私達の周りの常識ある人達は、我儘自己主張を通そうする人達にうんざりしている。

 私たちの愛好会のような年配の人達はワクチン接種を終えている。コロナ騒動がいつまで続くか分からない現在、時間を無駄には出来ない。気を付けながら出来るだけ普通の生活をする以外ない。