前向きに元気に外出禁止令を乗り越えましょう
10月の後半2週間は秋のヴァカンス。2週間目にマティスを預かり、賑やかで楽しい時を過ごす。マティスはだんだん由樹とは日本語を話さなくなる。母親がフランス語の方が上手なのが分かり、夜仕事から帰った母親に、毎日幼稚園であったことを話すのにフランス語で喋り捲る。幸いに毎晩私とフェイスタイムをやっているので、日本語は忘れない。私が彼と過ごすのに一番好きな時間は散歩。お喋りなので喋 りっぱなし。どこでそんな単語を覚えたのかとびっくりするようなことを言う。紅葉で色づいた森を散歩しながら今回は「もちろん」を聞く。ヴァカンス中、毎朝、カタカナを教える。ひらがなはどうにか覚え、マークとかるた取りをするのが大好き。どこまで日本語の勉強をするか分からないが、今基本的なことを覚えると、一生忘れないだろう。
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毎晩夕食後、彼が好きな2箇所色合わせをするクロミノゲームをやる。最初は手伝っていたが、だんだん上手になり、彼が勝つことが多くなる。暖炉の前で、ハーブティーを飲みながらこのゲームを2回やり、彼はベットに行く。「日本昔話」を聞きながら眠り、翌朝聞いた話をしてくれる。
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マティスは食べるのが大好き。料理の数が少ないと「これだけ?」と言う。なんでも食べるが、気にいると大人の量に近いぐらい食べる。先日もマーボー豆腐を作り、彼の分は辛くしなかったら、「ソースをごはんにかけてちょうだい」と大人の味付けが好き。
ヴァカンスが終わる前に外出禁止令が出る。水曜日の夜、大統領が金曜日から12月1日までの実施を発表。コロナ患者が増え、これ以上増えるのを抑えるためにやむを得ない処置ながら、ヴァカンスが終わるのを待っていたようだ。ヴァカンスで出かけている人達は日曜の夜までに帰ればいいことになり、金曜日仕事をしていない由樹は、サッシャを連れて来る。
1ヶ月ぶりに会う彼はまた成長している。最初、私の顔をじっと見、ジュリアンを見て泣くが、すぐに慣れ笑顔を見せる。彼も食べるのが大好きで、お腹が空くと待てず足をバタバタ、スプーンに食い付くように食べ、食べ終わると悲しい声を上げる。
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ジュリアンは木曜日の夜来て、外出禁止中我が家で過ごすことになる。週末はダミアンが家族を迎えに来て、家族揃っての日曜日の昼食は大きな平目で食卓を囲み、林檎のパイでジュリアンの誕生日を祝う。マティスの希望で全員がクロミノをして、彼らを見送る。夜由樹にメッセージを送る。「前向きに元気に外出禁止令を乗り越えましょう」に「はい、そうします」と返事が来る。