From PARIS

豆料理カスレ

フランス南部の農村に根付く素朴な家庭料理

子供の頃、弁当に黒豆が入っていることが多くがっかりし、その後豆は苦
手な野菜になる。秋になって友達の家に呼ばれ、メインは季節の野菜を使っ
たと言われたのに、私は想像出来なかったが何とカスレ。フランス南部の農
村に根付く素朴な家庭料理は、もともと白豆が主役のシンプルなシチュー
で、ありあわせの肉を加えていた。私は家では作らないし、レストランへ行っても特別選ぶ料理ではなかった。しかしこの時食べた生の豆が美味しいのにびっくりする。

先週朝市に行き、私が野菜を調達する農家の主人に今年最後の豆を勧め
られ、3キロ買ってくる。一人で鞘から出すのは大変なので、秋休みに我が
家に来ていた孫の手を借りる。彼らを迎えに来て、昼食後直接ブルターニュ
に行く由樹夫妻に、カスレを作ると言ったら、消化が悪いので彼らは好きで
はないと言う。仕方なく翌日大量にカスレを作り2人で食べる。生の豆なので水を入れ過ぎるが、美味しいし、重くも感じない。豆を見直すいい機会になる。

やはり子供の頃食べ過ぎて、私があまり好きではないキャベツ。アルザス
料理シュークルートは、塩漬けにしたキャベツを乳酸発酵させたのを豚肉、
豚加工品と煮込む。昨年の夏ヴァカンスでアルザスに行くが、ちょうどシューを作る時期で、キャベツを収穫する地方ではこの匂いが漂っていた。シュークルートは冬の料理だが、せっかくアルザスに来たのだからと借家で作る。その時使ったシューは、今まで食べたことがない美味しさだった。シューは夏収穫して加工し一年中食べるが、出来たばかりのが美味しいのを知る。保存出来る野菜も新鮮なうちに食べた方が味が良いのを学ぶ。