From PARIS

今年最初の愛好会 パリ散策は「ブールデル美術館」

一般に知られていない新発見に、一同大喜び!

2024年最初の愛好会パリ散策に、私はブールデル美術館を選ぶ。パリモンパルナス駅北西の細い道ブールデル通りに位置する。そこはブールデルが24歳の頃から住んでいた家、アトリエ、庭から成り立っている。

モンパルナスは、国際的ボヘミアンたちが芸術論に花を咲かせた20世紀初めの芸術家のたまり場。19世紀からフランスの芸術家はモンマルトルに集まっていたが、1910年代多くの芸術家が世界中から来るようになり、観光地化して家賃が高くなったモンマルトルからモンパルナスに移る。ピカソ、藤田、作家のヘミングウエィなどが住み、彼らが利用していたキャフェは現在でも営業している。1929年の大恐慌を機に、モンパルナスはパリの文化的中心地としての役割を終え、芸術の中心はサンジェルマン・デ・プレに移る。

ブールデルは20世紀彫刻のパイオニアの一人で、近代ヨーロッパの代表的彫刻家である。ロダンの弟子で、ロダンはブールデルの仕事の賛美者でもある。彼は師匠としても人気があり、多くの優れた芸術家が彼のクラスから生まれている。世界的に知られているジャコメッティも彼のところで学んでいる。

1947年、ブールデル家はアトリエ兼住居をパリ市に寄贈。アール・デコの巨匠、デエフェが改装。アトリエ兼美術館として一般公開する。2023年に再設計、改装。大人から子供が楽しめる工程が組まれ、この日も小学生のグループが何組か来ている。大きな作品は庭に、彼のコレクションは暮らしたアトリエに収蔵されている。パリ市の美術館は無料なのが魅力。

幅広くアートに精通している、私が気に入りのガイド、カリンの案内で2時間、庭、幾つもの部屋をまわり作品を見る。彼は作品を通して、世間に訴える。第一次世界大戦で苦しむ兵隊の顔は、戦争の悲惨さを示している。

モンパルナスといえばブルターニュから仕事で来る人たちが利用していたクレープ屋が並ぶ。私達もクレープ屋で昼食。ランチメニューはガレット(蕎麦粉)、クレープにシードルが付く。私は、鶏、なす、アーモンドの入ったオリエンタル風ガレット、塩バター、キャラメルのクレープを取るが美味しい。寒くて暗い冬を忘れて過ごす一日、皆の顔は明るい。この日は珍しく晴天。翌日は雪になったので、交通が麻痺するパリには行けないところだった。