私達にとって旅の一番の楽しみはその土地での食事
大西洋に面した避暑地、ラ・ボール、そこから南下した所にある港町ラ・ロッシェルに9日間2組の友達を訪ねる。ボールの友達は夏の2か月別荘で過ごしている。後者は年金生活に入って、ロッシェルに家を購入し移住したばかり。



ラ・ボールは、ヨーロッパ一の長いビーチがあることで知られていて、夏はヴァカンス客で賑わう。ゲランドに魚を買いに行く。海辺でしか食べられない蜘蛛と呼ばれる赤い蟹とムール貝を買う。この夫婦は夫が料理、妻がデザートを担当。友達は茹でたカニを殻から身を出し、マヨネーズと和え、高級レストラン並みのサーヴィスをしてくれる。塩田が広がるゲランドは、ムール貝の産地として知られている。ここの貝は小粒だが、たっぷり身が入って美味しい。
ラ・ロシェルはエレガントな港町。ブティック、レストラン、パン屋、ケーキ屋のレベルが高い。こちらの友達は、私たちの友達では一番のグルメ、移住して3か月、すでに食べ物の美味しい店をチェックしている。私達が結婚した時、近所に住み高校生だった彼とは50年来の付き合い。彼は毎朝、ジョッギング、その後海で泳いだ後、クロワッサンを買ってきてくれる。このクロワッサンは、滅多に出会わない最高レベル。

郊外の朝市に行く。ここの朝市は由樹達の別荘の近くディナールの朝市に比較出来る大きな規模だが、別荘地としてより、住んでいる住民が多いので値段が違う。友達が買ったメロンは5個で5ユーロ、海辺の魚ミューレはキロ4ユーロ。タコも安価で立派。このタコで作ったサラダは、今回の旅行で一番感激した料理になる。この朝市でたこ焼きのスタンドを見つける。鉄板で生地をひっくり返している手つきがいいので、話しかけたら、大阪で修行したとの事。隣にはお好み焼きの鉄板があり、どら焼きも作ったのを売っている。日本料理がここまで来たかと思うと嬉しくなる。




友達の妻は私たちの周りでは一番の料理上手。私が最近唯一使っているオットレンギのレシピ本が何冊も台所に並んでいる。野菜、果物、スパイスを使い、味付けはレモンとオリーヴ油のオリエンタル料理は私たち好みで、毎回新しい料理にテーブルに付くのが楽しみになる。
最後の日の昼食に、彼らが一番気に入っているビストロに行く。日替わりメニューで、前菜のナスはパリパリの歯応え、メインは白マグロ。付け合わせもオリジナルで気に入り美味しく食べる。杏デザートは、季節の杏をポワレ、シャーベットも美味しいが、レストランのデザートとしては物足りない。友達が私達に食べさせたいケーキ屋があると言うので、その後ケーキを買いに行き、家で食べ直す。私はゆず風味のケーキを食べるが繊細で美味しい。



私達にとって旅の一番の楽しみはその土地での食事。大好きな魚料理に、美味しいパン、クロワッサンを毎日食べ幸せなヴァカンスになる。